きみはROmantic Modeを知っているか!? 今も生で聴けるぞ!!!
KING SUPER LIVE 2004の余韻がなかなか引かず、久々にちっひーや奥井さんの曲を聴いていたり。
で、そもそもKING SUPER LIVEに足を運んだきっかけは何を隠そう、麻倉あきらさんがご出演とあったからなんですよ!!!
「あれ、スターチャイルドに『麻倉あきら』なんて人いたっけ?」と思ったアニメファンの貴方、そりゃそうなるよね。スタチャに「麻倉あきら」という人は所属していたことは無い。ただ、「麻倉晶」というヴォーカルを据えたユニットがあったんですよ!!!
それが「ROmantic Mode」。
ROmantic Modeとスターチャイルド
ROmantic Modeは1995年にキングレコード (スターチャイルド / KMW) からデビューしたユニット。アニソンとしては「機動新世紀ガンダムX」のOP曲 (DREAMS、Resolution) の2曲を残している。
プロデューサーはジョー・リノイエで、アニメの劇伴やアニソンのプロデュースにとどまらず、J-POPでも数々のプロデュース作を手掛けている。なんと聖飢魔Ⅱや近藤真彦、TOKIOなんかも手掛けている。今は芸能事務所カレイドスコープの社長という側面も持っている。
ガンダムXのあとはROmantic Modeはアニメから離れ、所属レーベルもKMWのみとなる。残念ながらROmantic Modeとしての曲のリリースは1999年を最後に行われていないが、中の人達は2024年現在も健在でご活躍中。
蛇足ではあるが、ROmantic ModeとTWO-MIXは同じイズムアーティストに所属していた (CDをよく見ると「IZM」のロゴがどちらにも入っている)。この縁でのちにⅡ MIX ⊿ DELTAが生まれることとなる。
ボーカルの麻倉晶とは何者なのか?
詳細は麻倉あきら - Wikipediaを見ていただくとして (というか結構な量は自分が書いてる :-)、ざっくりとまとめてしまうと、
- 1984年にミス・セブンティーンコンテスト準グランプリ受賞をきっかけに芸能活動を開始 (いわば、木村カエラの大先輩)。
- 1986年に本名の「斉藤さおり」でレコードデビュー。当時の所属レコード会社はCBS/SONY (現ソニーミュージック)。1989年に学研系のPLATZに移籍し、1991年までアルバムをリリース。
- 1993年に芸名「麻倉晶」として改めて新人としてデビュー。設定上、斉藤さおりとは別人ということになっていた。勘のいい業界関係者は「あのドスの効いた声はさおに間違いない!」と確信していたらしい…。
所属レコード会社はパイオニアLDCと学研の合弁のROCK IT RECORDS → パイオニアLDC。PLATZからROCK ITって中の人絶対繋がってるだろ…。 - 1995年に「ROmantic Mode」が結成され、ユニットとしてデビュー (3回目のデビュー)。所属レコード会社はキングレコード。
- 1999年になぜかROmantic Modeがキングレコードから東芝EMIに移籍するも、結局ベストアルバムを1枚リリースしてROmantic Mode活動休止。
この後「解散」と誰も言っていないので扱いが極めて微妙に。 - ROmantic Modeの活動が縮小された代わりなのか、1998年に麻倉晶のソロ活動としてバンダイレコードからシングルを2枚リリース。ジョー・リノイエのプロデュースなのでほぼROmantic Mode。確かこの時期に鈴川さんが怪我したとかファンのメーリングリストでハリー細谷さんから報告があったからこの関係かな?
- 営業戦略上での別人のフリやら移籍のゴタゴタやらのモロモロで業界に疲れちゃって、2000年ごろに芸能活動を休止。そりゃそーなりますわ…。
- とはいえ音楽が嫌いになったわけではなかったので、2003年からライブ活動を再開。
- 2005年に、こんどは「麻倉あきら」として4度目のデビュー。レコード会社は徳間ジャパン。
- 2007年にジョー・リノイエのプロデュースで森川美穂とのユニット「DIVA×DIVA」を結成。
本人をして「演歌歌手のよう」というぐらい再デビューをしているので熱の入ったファンでなければ経歴をちゃんと把握できないであろう…。「キングレコードのアニソンが好きですー」という方がここまで追いかけるのは「よほど好き」でなければ難しいだろう。自分だって2000年前後にファンのメーリングリストや掲示板でいろいろ教えてもらって、RO-Mの新曲がでない飢えをBOOK OFF巡りで斉藤さおり時代の旧譜を探し回って満たしていたから知っているわけで…。
ちなみにCBS/SONY時代の斉藤さおりの楽曲であれば、辛うじて2015年リリースのベスト盤が入手可能。またRO-Mもキングからベスト盤が2011年に出ている。
アニソン歌手としての「麻倉あきら」
前述の通りソロ活動だけでも「斉藤さおり」「麻倉晶」「麻倉あきら」と3回もデビューしておりややこしいことになっているが、現在は
- ロックシンガー「斉藤さおり」
- アニソンシンガー「麻倉あきら」
と使い分けている。別人扱いももうしなくていいらしい。なので同じライブで「サバンナの熱風」と「DREAMS」と「Happy Ending」を歌うのも何の問題もなし。
そしてユニット参加を含めて、今まで関わったアニメ・ゲーム関係の楽曲は結構ある。
名義 | 曲名 | タイアップ | 収録アルバム |
---|---|---|---|
斉藤さおり | MUSIC <I love youがかすれて> | OVA「ウォナビーズ」 (1986) | Kiss me, Good bye |
ROmantic Mode | DREAMS | TVアニメ「機動新世紀ガンダムX」 (1995) | ROmantic Mode |
Resolution | Vision of Love | ||
麻倉あきら | 真夜中の虹 ~everlasting love~ | OVA「最終兵器彼女 Another love song」 (2005) | 真夜中の虹 ~everlasting love~ (シングルのみ) |
DIVA×DIVA | ヤッホー | TVアニメ「史上最強の弟子ケンイチ」 (2007) | ヤッホー (シングルのみ) |
麻倉あきら | EXTRICATION | ゲーム「ロストヒーローズ」 (2012) | (未音源化) |
実に6曲。ただしマニアックなOVAだったり、ゲーム内使用のみで未音源化だったりするので「知らない」という人も少なくなくても致し方ない…。「ウォナビーズ」なんてソフト持っている人どれぐらいいるんだろう。
年に2回行うソロライブ
そんな麻倉さん…というかさおりさん、活動再開以降は年2回のペースで高円寺Show Boatでソロライブをやっている。そして前述のとおり名義違いのしがらみが無くなったのROmantic Mode時代の曲もやってくれる!!! ただし斉藤さおり時代の曲はもともとバンドでやっていたのでスコアも残っていたかもしれないけれど、RO-Mはライブ実績1回だけの上に打ち込みが多く、ライブにあたっては新しくスコアを起こしている。このためスコアを用意できていない曲は演奏できない制約がある…とはいえ、年々レパートリーが徐々に増えてきている。最近だと「Who are you?」 (「Dimensions」収録) がvol.24で上演されている (この回が初演だったハズ)。
ここ数年の開催状況はこんな感じ。
日付 | 公演名 |
---|---|
2024/6/23 (日) 予定 | "s-a-r" buddyz party up vol.25 |
2023/11/19 (日) | "s-a-r" buddyz party up vol.24 |
2023/7/9 (日) | "s-a-r" buddyz party up vol.23 |
2022/11/20 (日) | "s-a-r" buddyz party up vol.22 |
2022/7/10 (日) | "s-a-r" buddyz party up vol.21 |
公演名の「s-a-r」は「Saori」「Akira」「RO-M」から1文字ずつ。つまり「全部の曲をやるよ」という意味。
どの時代の曲が多いの?
仮にRO-Mの曲を知っていたとしても「斉藤さおり時代の曲知らないし…」と尻込みする気持ちはわかる…けれど、手元でさっと出てくるセトリのメモから計算してみると、存外RO-Mの曲も演奏していることが分かる。
(Vol.22の空白になっているのは鵜島仁文さん追悼でFLYING IN THE SKYをやったため)
おおむね17曲ぐらいやるうち、実績としては1/3ぐらいがRO-Mの曲。
ガンダムの曲は聴けるの?
アニソンに限ると上演実績はこんな感じ。
vol.6ではアンコールの時にDREAMSのアコースティック版を追加でやっているので2になっている。
基本的にはDREAMSとResolutionの両方をやるのがおなじみにはなっているけれど、vol.24だけなぜかDREAMSをやらなかった。が、だいたいの回に行けば両方聴けるし、最低でも片方は聴けると思って大丈夫でしょう。というかガンダムXのおかげで来てくれるお客さんがいる、ということを御本人も仰っているので。
どうやってチケットを取ればいいの?
コロナ前はローチケとかe+でも買えたけれど、現在は高円寺Show Boatさんに直接問い合わせになっている。
Show Boatさんに電子メールか電話で予約 or 代引きの申し込みなのでちょっと面倒ではあるけれど、慣れてしまえばどうということはない。自分の場合はGmailで前回代引き申し込みしたメールを引っ張り出してきてコピペしている。
やはりおすすめなのは代引き。送料の分だけ高くなってしまうのが難点ではあるが、何しろ入場順が最優先なのでいい席で見られる確率が高くなる (予約の場合はチケット持っている人の後での入場になってしまう)。なおe+、ローチケの取り扱いがあった頃はShow Boat直販→プレイガイド→予約→当日という順番だった。「日中受け取れない」という人も大丈夫、不在票を持って郵便局に取りに行けばいい。
またライブハウスあるあるなのが、入場時にワンドリンク¥600の支払いが別途必要。たぶん営業許可が飲食の扱いになっているからかな…?
なおShow Boatさんは前の方の席は丸椅子が置いてあるので、座って待てるし落ち着いた曲は座って聴いていて大丈夫。足腰に優しい。
推しは推せるときに推せ!!!
KING SUPER LIVEの感想などをX (旧Twitter) で検索していると「知らなかった」「聴けるなら行ったのに」という声が結構見られたけれど、年2回のソロライブに通えばDREAMSもResolutionも聴けるし、打ち込み主体のCD版ではなくライブ演奏の一味違ったものが聴ける。RO-Mデビューからもうじき30年になるけれども、声も「衰え」という言葉からは無縁の非常にエキサイティングなライブを楽しめる。
2万人収容のアリーナではなく250人収容のライブハウスだからこその近さ、というか終演後に本人手ずからの物販もある近さを、キンスパ行きそびれたという人にはぜひ体験してみて頂きたい。
そうそう、ワンドリンク制なので呑みながら聴けるのもキンスパと違うところ。「ハイボールとラムストレート、今日もラムストレートの勝ち」という飲み方でも良し、ビールでも良し。