題名のない音楽会「ゲーム音楽史の音楽会」感想など

恐らく2010/8/29放送「マリオ・ドラクエ・FF〜大人気ゲーム音楽SP」以来のゲーム音楽特集だったので非常に楽しみにしていたので感想など。

ここがよかった

  • 「とりあえずすぎやまこういち出せば大丈夫でしょう」という巨匠主義から脱却できていた (ただしノビヨ師匠が巨匠化している気もする)
  • 「映画音楽を目指していた」という発言が出ていたのは素晴らしい。アメリカではwikipedia:ボストン・ポップス・オーケストラが映画音楽など親しみやすい楽曲で集客しているのと同様のポテンシャルを秘めているという持論に通じるところがあり素直に嬉しい
  • FFのメインテーマをリコーダーで演奏したのも面白い。編曲はちょっと自分ごのみではなかったけれど、音楽を楽しむための共通のメディアあるいはプロトコルになれるぐらい我々に浸透しているという表れではないか。
  • 五嶋龍のヴァイオリンソロがゼルダに非常にマッチしていた。シエナの演奏に対してソロでは弱いのでは? と心配だったが完全に杞憂だった。とはいえ弦が入ったのがここだけというのはちょっともったいない。

ここはいまいち

  • ゲーム音楽」というくくりが広すぎる割に30分は短すぎる。フォークソング特集といってさだまさしが出てきて30分終わる、と例えられるぐらい乱暴。とはいえ番組の特性的に仕方がないのは理解できる。
  • ゲストの人選が謎。ゲームに造詣の深い加山雄三鈴木史朗になぜしなかったのか。
  • マンボ・de・チョコボの演奏中の画面がほとんどFF4。FF4は「サンバ・de・チョコボ」でマンボはFF5。番組スタッフなのかSQEXなのかどっちに責任があるか知らないけれどお粗末なミス。
  • ゲーム音楽というものを知らしめた作品がマリオだと言っていたが、そこはやはりゼビウスだろう。マリオの功績はもちろん大きいのだが…。
  • PRESS STARTやDISTANT WORLDについて一切言及が無いのも残念。ゲームに興味ない人からしたら「なんで急に今回こんな特集やるの?」って感じるだろうから、実はこういう盛り上がりがあるんだということは紹介してよかったかと。

総論

総じて「30分で括るのは無理!」というのが大きいかな。そもそもゲストの植松伸夫そのものがある意味特異点だもの。よくDQとFFは比較されるけれど

という対象的な作品で、恐ろしいことにほぼ独学だった植松伸夫はFFが伸びるのと同じくして作曲家としてどんどん化けていったのだから。植松伸夫だけで30分作ってもいいと思うよ。

だから可能ならば3回とか4回に分けて作るべきだったんじゃないかな。8ビットから16ビットの時代で30分、32ビット機以降のサンプリング音源の時代で30分、ノビヨ特集で30分 (ゲストは白鳥英美子で) とかで。ただ3回連続だと興味ないお客さんに悪いから3ヶ月連続月末特集とかにすればあまり抵抗無いのでは。